読書記録用ブログ

読んだ本を記憶に残していくためのブログにしようかと思います。

金色機械 恒川光太郎 著

これまで読んだ恒川光太郎作品の中で一番好きだったかもしれない。

 

舞台は江戸時代。触ると人を殺すことができる娘が主人公。彼女は医者の家で育てられていたものの、本当は拾われた流浪の民の子だということを知って、親を殺した犯人の仇の旅に出る。

その道中で金色様や遊郭の主人である熊悟朗に出会って物語が進んでいくというお話。

 

この小説で初めて知ったけど、江戸時代SFみたいなものは伝奇小説というんだって。

 

金色様は恐らく未来人が何らかの理由で江戸時代に置いていった産物で、どんな人間も力・知能ともに敵わない最強のロボット。

 

これまで恒川作品は「よくわからないけど不思議」というふわっとした印象があった。あまり生々しくなくて、何かを考えさせられるとか心を揺さぶられるという印象ではなかったけど、この作品では揺さぶられたなあ。

 

読了後は「あぁ、切ない」「誰にでも正義があるんだよなあ」「みんな次の生では幸せになって欲しいなあ」としんみり思う、そういうお話。フィクションだけどな。

 

この本は夜眠る前に楽しみに読んでいたので、読み終わって少し寂しいけども、次の作品をまた楽しみにしよう。